銀座「もとじ」で着物を仕立てた話——夏の京都と花火大会へ
銀座の男着物専門店「もとじ」で絽の着物を誂えた、その体験と、その着物とともに歩いた夏の話です。
「もとじ」という店
「もとじ」は銀座にある男性の着物を専門に扱うお店です。男性の着物に特化した専門店として知られており、着物好きの間では知名度の高い存在です。
格式のある店だということは事前にわかっていました。銀座という立地もあり、少し敷居が高く感じるかもしれない。そう思いながら足を運びました。
しかし実際に入ってみると、接客がとても気持ちのいいものでした。押しつけがましくなく、こちらの話をよく聞いてくれる。格式はあっても、気軽に話せる雰囲気がありました。着物の専門店というのは、入る前に緊張することがありますが、ここは違いました。
格式は確かに高いですが、とても気持ちのいい接客を受けました。
絽の着物を誂えた
そこで仕立てたのは「絽(ろ)」の着物でした。
絽とは、縦糸を絡ませながら織った生地で、細かい透け目があるのが特徴です。通気性がよく、夏の着物として重宝される素材です。正式な夏の着物として、茶席や少し改まった場にも着ていけます。
仕立てた着物は、手に取ったときから違いがわかりました。既製品やリサイクルとは異なる、自分の体に合わせて作られた着物のフィット感。裄も身丈も、自分の寸法通りです。着てみると、動きやすさが全然違いました。
その着物を着て行った場所
仕立てた絽の着物は、夏のシーズンに何度か着ました。夏の着物ですから、出番は7月〜8月が中心です。
夏の京都
夏の京都は暑さが厳しいですが、絽の着物の通気性は思った以上に助かります。古い街並みのなかに着物姿が溶け込む感覚は、洋服では得られないものです。寺社や路地を歩くとき、着物を着ていることが自然に感じられる場所でした。
花火大会
花火大会は、夏の着物がもっとも似合う場面のひとつだと感じています。浴衣が一般的ですが、絽の着物で行くと少し格が上がります。周りの反応もよく、花火の光と着物の雰囲気がよく合っていました。
仕立てた着物を持つということ
リサイクルや既製品の着物にも良さはあります。手頃に始められる、気軽に試せる。私自身、最初の一枚はそうでした。
しかし着物を長く着てきた中で、一枚だけでも「自分のために仕立てた着物」を持つ体験はしてみる価値があります。自分の寸法で作られた着物の着心地は、それまでと明らかに違う。そして、その着物に込めた時間と選択の記憶が、着るたびに蘇ります。
もとじでの体験は、着物との向き合い方が一段変わった出来事でした。
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